齋藤力

DORSOオーダーフェア

2025年9月13日(土)~2025年10月26日(日)
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傑作コート生地"Taylor&LodgeのLUMB'S GOLDEN BALE"で仕立てるシングルチェスターフィールドコート

チェスターフォールドコート

PROCESS OF ORDERING
お客様から頂戴したオーダーアイテムの素材選びから仕上がりまでの過程について、"Taylor&Lodge(テーラー&ロッジ)のLUMB'S GOLDEN BALE(ラムズゴールデンベール)"でオーダーを頂戴したネイビーヘリンボーンのシングルチェスターフィールドコート(チェスターコート)を一例にご説明をさせていただきます。
DORSOでMTMのコートをオーダーいただいた場合のご注文からご納品までの流れ、お客様からのご要望やこだわり、私自身が洋服作りに対して大切にしていることについて触れていきます。

生地選び

チェスターフォールドコートの生地

今回ご紹介するコートの記事は、DORSOでスーツやジャケットを仕立てさせていただいているリピーターのお客様からいただいたシングルチェスターフィールドコートのオーダーについてです。

こちらのお客様とはスーツやジャケットのオーダー時・ご納品の度にお会いしており、コートについても過去に何度か会話をさせていただました。
2024年の冬にコートについてお話をしていた際に、こちらのお客様のお好みに合い・ワードローブに是非加えていただきたいと思える素晴らしい品質のコート生地を私からご提案させていただき、その生地を気に入っていただけたことでオーダー前に生地のみを仕入れして、今年6月9日(月)~2025年7月22日(火)に開催しておりましたDORSOコート オーダーフェア2025でのサービスをご利用いただきコートの制作をスタートさせていただきました。
生地を先に仕入れして確保した理由は、Taylor&LodgeのLUMB'S GOLDEN BALEは既に廃盤となっているコレクションのために在庫が非常に少ないことは分かっていたので予め生地のみをキープさせていただきました。

DORSOコート オーダーフェア中のサービスとは、DORSOが自信を持ってお薦めしておりますコートの仮縫いを無料で実施させていただく仕立てとなります。
(DORSOでの初回オーダー仮縫いサービスとは別で、オーダーフェア期間はコート仮縫いサービスを実施しております。)

チェスターフォールドコートの生地 2

上の写真は"DORSO STOCK COLLECTION"として所有しているTaylor&LodgeのLUMB'S GOLDEN BALEです。

Taylor&LodgeのLUMB'S GOLDEN BALEについて簡単にご説明をさせていただきます。

Taylor&Lodge(テーラー&ロッジ)は1883年に英国生地の聖地であるハダースフィールドで創業した生地メーカーです。
最高品質の糸を供給し続けているスピナー(糸の紡績会社)であるJoseph Lumb&Sons(ジョセフラム&サンズ)が極僅かしか取れない最高品質の羊毛に対して、同社が与える最高栄誉の賞となるゴールデンベールアワード。
その最高品質と認められた原毛を厳選して織られた生地がLUMB'S GOLDEN BALE(ラムズゴールデンベール)です。
我々テーラーが扱える生地は何万種類もあるのですが、ゴールデンベールは世界から名品と認められた由緒正しい生地であり、現在では希少性が高く、テーラーにとって憧れの生地の一つです。

前述の通りTaylor&LodgeのLUMB'S GOLDEN BALEは既に生産がされていない生地なので今後追加で入手するの事が困難な素材ですが、私自身がテーラー&ロッジ社のラムズゴールデンベールが持つ素晴らしいクオリティーの大ファンということもありDORSOでは僅か数着分ですがテーラー&ロッジ社の最後の在庫を仕入れて大切にストックしております。

テーラー&ロッジ社のラムズゴールデンベールにご興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

コートの仮縫い

コートの仮縫いを着用していただき、コートの仮縫いの目的についてご説明をさせていただきながらフィッティングチェックをさせていただきました。

上の写真のジャケットはコートのオーダー時にご納品をさせていただいたものです、こちらのジャケットのデータを活かして仮縫いをご用意させていただきました。
コートの設計の際に、ジャケットのデータがある場合はそのデータをベースにすることで仮縫いの精度を高めます。
(DORSOで初オーダーのお客様の場合は、ジャケットのデータは無い代わりに弊社サンプルか普段お召しのジャケットを基に設計をさせていただきます。)

今回のオーダー主であるお客様のご体型の特徴については既に把握しておりましたのでフィッテイング面は私にお任せいただき、コートの仮縫い時に一番のチェックポイントとなるコートの長さ(着丈)をどれくらいに設定するかをお客様のご意見と着用シーンをイメージしながら仮縫いを進めさせていただきます。

今回のコートの仕様について、お客様の着用シーンをイメージして前のボタンを留めた際にボタンが見えない"比翼仕様"で今回は仕立てさせていただきます。

チェスターフィールドコートには、ボタンが見えない"比翼仕様"とボタンが見える"打ち抜き仕様"の2種類の仕立て方がありますのでお客様のお好み・着用シーン・お選びいただいた生地に合わせてご提案をさせていただきます。

チェスターフィールドコートの着丈は基本的に膝を基点として決めていくのですが、丈の微妙な違いで印象が変わるので実際の着用シーンやコーディネートについてのイメージを共有させていただき、どれぐらいの丈が今回のオーダーの最適解となるのかを模索していきます。

完成とご納品

オーダーをいただいていたチェスターコートが完成致しました。

仕上がったコートを着用していただき、先ずはラムズゴールデンベールの生地の質感、そして美しい色味を確認していただき、最終のフィッティングチェックをさせていただきました。

今回のブログでは、リピーターのお客様のシングルチェスターフィールドコートをご紹介させていただきました。

DORSOでのオーダーは、お客様との対話から始まり、お客様それぞれの理想を模索し、最適と思えるスーツを作り上げていくために必要な採寸・フィッティングチェックを経て一つ一つを丁寧に仕立てさせていただきます。そして仕上がったスーツをお客様の生活の中で着ていただき、実際の動きに伴う着用感やバランス・仕様(裏地やポケット)・コーディネートについて感じられたことはできる限り共有させていただき、お客様の理想を把握し、お客様の生活に心地良さを与えることができる洋服作りを目指したいと思っております。

初めてのオーダーのお客様もリピーターのお客様も同様に、お客様のワードローブやコーディネートに携わらせていただく中で1着1着の仕立てを大切にし、お客様の期待にお応えできる仕立てを実現するために洋服作りに向き合い、お客様の期待を超える服作りを目指して、今後もDORSOは尽力致します。

齋藤力

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大阪トランクショー
 2025年10月2日(木)〜 10月5日(日)

札幌トランクショー
 2025年11月7日(金)〜 11月9日(日)

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