"Why I ordered"
Why I orderedでは私が自分のために仕立てた洋服について、なぜこの生地を選んだのか、何を考えて仕立てたのか、完成した洋服の着想感はどうなのか、どんな着方をするのか、私なりの考えを記事にさせていただきます。
是非ご覧くださいませ。
私が自分用にオーダースーツ・オーダージャケット・オーダーコートを仕立てる際の生地選びは、世界中の生地屋さんが毎シーズン発表している新作コレクションの中から自分好みの生地を物色して、生地に触れながら仕立て上がりを想像し、自分が着たいと思える1着を楽しみながら選んでおります。
今回私が選んだPIACENZAの "NOBLE FLANNEL"は、今までもコレクションとして有りましたが2023年にリニューアルをして色・柄バリエーションが豊かになった新作フランネルコレクションです。
私はフランネルのスーツが大好きなので数着所有しているのですが、フランネルという同じ括りでもメーカーによって異なる魅力があり、それぞれの違いを楽しみながら生地選びをして仕立てております。
PIACENZA(ピアチェンツァ)はカシミヤやキャメルなどの高級獣毛の取り扱いが多く、糸となる原毛に対して徹底して拘り、それらの材料で織られた生地のクオリティーは非常に高く、実際に生地に触れてみると素材感の秀逸さから"ピアチェンツァらしさ"を感じることができます。
ノーブルフランネルはVirgin Wool 90% & Cashmere 10%、ウエイトが290gのクオリティーとなります、フランネルとしては軽い方なので柔らかい着心地と身体への馴染みの良さが期待できる品質として今回のスーツ生地として選びました。
そしてピアチェンツァは色の表現や柄の構成に独自性があり、決して奇抜ではないのですが私の目が釘付けになる色使い・柄の生地が多く、今回選んだ生地も柔らかい色味のブラウンをベースとしてチョークで引いたようなネイビーの格子が施されている色のコンビネーションに魅了されました。
この生地はジャケットとしても着やすい柄と素材感を備えているので、スーツとして仕立てるのですがジャケット単体をセパレートで着ることをイメージして仕立てることに決めました。
今回のフランネルスーツの為に、自分用のシングルスーツの型紙に調整を加えて設計致しました。
ジャケットをセパレートで単体使いすることを想定してるので、ほんの少し軽快さを与えれるように意識をして製図と裁断を行いました。
ノーブルフランネルのスーツが完成したので早速着てみました。
こちらのコーディネートは、細幅のロンドンストライプのシャツにDORSOオリジナルネクタイのネイビープレーン、胸元にはDORSOオリジナルポケットスクエアのシャンブレーコットンリネンを挿しました。
シャツ、ネクタイ、ポケットスクエアはスーツ生地の格子のネイビーに合わせて、足元には明るいトーンのブラウンスエードを持ってくることで軽快さを増し、全体としてネイビー系とブラウン系の2色にまとめたコーディネートを組みました。
ポケットスクエアはDORSOオリジナルのシャンブレーコットンリネン
Atto vannucci(アットヴァンヌッチ)のグレーウールタイとブルーヘアライン柄のシャツのコーディネート。
ジャケット単体使いのコーディネート、インナーは韓国ニットブランド"IOLO(イオロ)"とコラボしたモックネック、デニムはDORSOオリジナルのライトウォッシュ、ポケットスクエアはDORSOオリジナルのネイビーリネンを合わせました。
この日はランチミーティングだったので、堅くなりすぎないニットを取り入れたスーツスタイル。スーツと同系色のモックネックニットをインナーに合わせて全体の色味をまとめました。
ブラウンのカシミヤで仕立てたチェスターコートを羽織りました。
チェスターコートはフォーマルなイメージが強いデザインですが、選ぶ素材やディテールの選択、サイズバランスの設計を着用イメージに合わせて行い仕立てることで色々な場面で色々なコーディネートに合わせて着ることができる便利なコートになります。
フランネルスーツに気軽に羽織るだけで冬の雰囲気を楽しめます。
今回はPIACENZAの "NOBLE FLANNEL"で仕立てたフランネルスーツをご紹介させていただきました。
私自身のオーダー経験をご紹介することで、洋服をオーダーで仕立てることの魅力を伝え、オーダーの世界に対して興味を持っていただける方に素晴らしい体験をしていただきたいと思っております。
魅力を増した新しいPIACENZAの "NOBLE FLANNEL"を店頭もしくはトランクショーで手に取ってご覧いただきながら、皆様にとって長年愛用することになるフランネル探しをDORSOはお手伝いさせていただきます。
DORSOの仕立てやサンプルの下見、ご検討されている生地の下見も喜んで受けさせていただきますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡くださいませ。