齋藤力

DORSO ネイビージャケット&スーツ オーダーフェア
2026年5月1日(金)~2026年5月31日(日)
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私が選んだ "PIACENZA ALASHAN TOPCOATS" のポロコート

PROCESS OF ORDERING
今までのPROCESS OF ORDERINGでは、お客様から頂戴したオーダージャケットやオーダースーツについてご紹介をさせていただきましたが、今回は私が自分自身の着用としてDORSOのMTM(Made-to-measure/メイドトゥーメジャー)でオーダーしたポロコートについてご紹介いたします。
オーダーから完成までの流れ、私のこだわり、完成したコートの着想感などについて書かせていただきますので、是非ご覧くださいませ。

ポロコートへの憧れ

私は何年も前からポロコートに興味があり、色々なポロコートに触れて見て自分なりに研究をしてきました。
いつかは自分用に仕立てて着てみたいと憧れていたコートでした。
そんな大好きなポロコートの起源から簡単にご紹介させていただきます。
ポロコートは、イギリスのポロ競技の選手が競技の待ち時間に着用していたベルトで前を締めるローブのような仕立てのコートが原型であり、1910年にブルックスブラザーズが現在のデザインとディテールを取り入れてアメリカで広め、1920年代にアイビーリーグの学生たちの間で流行したことで紳士服の定番コートとしての地位を確立しました。
現代では、伝統的で重厚感のあるデザインとディテールを取り入れて仕立てられたものから今風に軽く着やすいデザインにモダナイズしたものまで見られ、紳士服のワードロープに欠かすことのできないコートのひとつといえます。

生地と仕立ての相性

お客様に生地をお薦めする時も、自分用の洋服の生地を選ぶ時も、着るシーンや着こなし方について想像を膨らませながら楽しく生地を探しております。
キャメルヘア(ラクダの毛)を使用した生地で仕立てるのが最もポロコートらしい定番スタイルであり、生地と仕立ての相性が非常に良い組み合わせとして大好きなのですが...、今回はダークカラーに拘って仕立てたいという想いからキャメルヘアではなくカシミアで生地選びをする中で、PIACENZA(ピアチェンツァ)のALASHAN TOPCOATS(アラシャン トップコート)に心惹かれました。

アラシャン カシミアの魅力

ALASHAN TOPCOATS(アラシャン トップコート)は、カシミア界のトップクオリティーである内モンゴル産のアラシャン カシミアを原料としたコート用生地のコレクションであり、PIACENZA(ピアチェンツァ)ならではの生地の品質の高さ・綺麗なカラーバリエーション・用途に応じたクオリティーの豊富さが魅力です。
全ての生地を触って、確認をしながら...仕立て上がりを想像して生地を選びます。

重すぎないカシミア

冬用のスリーピーススーツかツーピーススーツの上に羽織ることを前提とし、関東住まいで電車に乗ることも多い生活なので、重すぎず厚すぎない460gが日常使いにちょうど良い品質だと思いました。
カラーは、ポロコートに合わせることは珍しいブラックを選んで仕立てました。

ポロコートとは

仕上がってきたMTMのポロコート。
先ずは、ポロコートのデザイン・ディテールの特徴についてご紹介させていただきます。
フロントはダブルブレステッドの打ち合わせ、襟はアルスターカラーがポロコートの基本です。

ポケットはフレームドパッチ

ポケットはフレームドパッチを採用します。
あまり見かけることがないディテールですが、他のコートで採用することは滅多にないポロコートらしさがあるポケットです。
オーダーコートですので、お客様のお好みのスタイルやお選びいただく生地に応じてポケットの仕様変更は可能です。

ターンナップカフスの存在

袖のディテールは、袖口を折り返したターンナップカフスが特徴です。
ポロコートならではの重厚感あるディテールが何とも言えない魅力です。

背中のドレープ

ウエストのベルト・背中の中心の縫い目にあるインバーテッドプリーツ・両サイドで畳まれたタック、これらのバックスタイルのディテールが本格的なポロコートの特徴です。
生地のドレープ感が美しく、後ろ姿の存在感が魅力です。

仕上がりのポロコートを着てみて

仕立て上がったポロコートを着てみました。
コートを仕立てる際にコートの丈は最も重要な寸法であり、コートのスタイルと用途・選ぶ生地によって丈の設定は大きく変わります。ブラックのカシミアで仕立てるポロコートを、重厚感は残しつつ軽やかに着たいという想いからコートの丈は膝丈ジャストに設定しました。
460gのカシミアで仕立てたポロコートは、着ていると重さを感じないくらいの快適な着心地です。

バックスタイル

バックスタイルの全体像。
背中のゆとり量が多いデザインですので、楽に動くことが可能です。

ベントの釦

ベルトより下のインバーテッドプリーツとセンターベントの見え方。
ポロコートのベントは釦で留められる仕様となっていますが、私はコートの裾の足さばきを良くするために釦を開けて着ることが多いです。

寒い時には

寒い時は上襟をふわっと立てるのも雰囲気が良く、カシミア素材は襟が顔や首に当たっても気持ちが良く最高の肌触りを実感することができます。
コートの上襟に使用する裏側の生地は、表生地を使用して仕立てております。
因みに、ジャケットにはカラークロスという襟専用のフェルトのような生地を使用します。

釦を開けて

フロント釦を開けたスタイルです。
ダブルブレステッドなので釦を開けて着ることは少ないですが、さらっと羽織って移動したい時には良いかもしれません。

オーダーコートを楽しむ

今回は自分用にオーダーしたポロコートについて紹介をさせていただきました。
お客様の洋服に対して真剣に向き合い仕立てさせていただくのと同じように、自分自身が着る洋服に対しても全ての過程を楽しみながら熟考した上で仕立てております。
毎日洋服のことを考え、毎日生地のバンチを見比べている私が選ぶ生地やスタイルについて今後もご紹介させていただき、皆様のオーダーのご参考にしていただけますと幸いです。

齋藤力

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