齋藤力

DORSOコート オーダーフェア2025

2025年6月9日(月)~2025年7月22日(火)
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DORMEUILの 名作"ORIGINAL TONIK"で仕立てるグレースーツ

DORMEUIL ORIGINAL TONIK

PROCESS OF ORDERING
お客様から頂戴したオーダーアイテムの素材選びから仕上がりまでの過程について、DORSO STOCK COLLECTIONとしてご用意していたDORMEUIL(ドーメル)の名作"TONIK"でオーダーを頂戴したグレーのツーピーススーツを一例にご説明をさせていただきます。
DORSOでスーツをオーダーいただいた場合のご注文からご納品までの流れ、お客様からのご要望やこだわり、私自身が洋服作りに対して大切にしていることについて触れていきます。

モヘアスーツ オーダーフェアのトニック

DORMEUIL ORIGINAL TONIK 02

今回ご紹介するスーツはDORSOで4着目のオーダーとなるリピーターのお客様からいただいたMTMのご注文です。
今年の2月に店舗にお越しいただいた際に3月から開催する予定をしていたモヘアスーツ オーダーフェア用"DORSO STOCK COLLECTION"のDORMEUILのTONIKを前もってご覧いただき、お客様がスーツに期待させている事に相応しく、そしてお客様の雰囲気にとても合うと思い私からお薦めさせていただきました。

"DORSO STOCK COLLECTION"とは、DORSOが現物生地を仕入れて在庫しているコレクションとなります。
バンチコレクションにも素晴らしい生地が多い中で敢えてDORSOが生地をコレクションする基準は、
①ヴィンテージ生地の一点物
②廃盤生地で今後入手ができなくなる物
③珍しい品質の生地でバンチにそもそも含まれていない物
④現行バンチコレクションに含まれているが、敢えて現物で仕入れてご覧いただきたい品質の物
これら①~④の現物生地を厳選して仕入れることでお客様へのより良いご提案を目指しております。

トニックとはフランスの一大マーチャントであるDORMEUIL (ドーメル)から1957年に発表されたシリーズで、完成した際に生地のクオリティの素晴らしさからジントニックで祝杯を挙げたことより命名されたと言われています。

現在のトニックのコレクションには、モヘア混からサスティナブルなウールのみ使用したトニックウールなど様々なシリーズがございます。今回ご紹介するオリジナルトニックは1957年に発表された当時のトニックに使用されていたモヘア糸を忠実に復刻し数量限定で生産したもので、ウール50%・モヘア50%・目付390gのクオリティーです。

私はヴィンテージトニックと呼ばれている当時織られたトニックで仕立てた経験が数回あるのですが、このオリジナルトニックは限りなくヴィンテージトニックに近い独特の風合い、トニックらしい重みとモヘアのハリ感、そして奥深い光沢を楽しませてくれる素晴らしいクオリティーです。

今回ご紹介させていただくスーツのオーダー主であるお客様とは今までに何度もお会いしておりますので、スーツに対する想いやオーダーに期待されていること、スーツのスタイリングについて等いろいろと対話をさせていただく機会を頂戴致しました。

今までの対話を基に、今回のオリジナルトニックの品質と仕上がりの雰囲気はお客様のお好みに合い、ご期待に応えることができる素材だと思い私からご提案をさせて頂きオーダーを頂戴致しました。

フィッティングチェックについて

アイリッシュリネンのスーツ

前回仕立てさせていただいたスーツは2024年の春にご納品させていただいた写真のアイリッシュリネンのスーツ
こちらのリネンスーツのデータをベースにして今回のモヘアスーツの設計を改めてさせていただきました。

アイリッシュリネンとモヘアを比較すると生地の特性が全く異なりますので、モヘア特有である糸のハリ・コシの強さを考慮した上で必要な調整を加えて心地良い着心地が実現できるように再設計をしていきます。

アイリッシュリネンのスーツ 2

スーツ完成

オーダーをいただいていたトニックのスーツが完成致しました。

オリジナルトニックらしいモヘア特有の繊維のハリ感と糸量の多さによる生地の肉厚感、これらの特性によって写真のような仕立て映えの良さを実現しております。

今回のお客様には今まで仕立てさせていただいたスーツの着心地を気に入っていただいていたので、"DORSOハイクオリティーオプション"をお薦めさせていただき
・肩イセ増量仕立て
・袖イセ増量仕立て
・本衿かけ仕立て
・ゴージーラインカーブ仕立て
・衿穴(フラワーホール)手かがり仕立て
これらのハイクオリティーオプションを採用した仕立てをお選びいただきました。

デザインの要ともいえるラペル幅を変更して、今まで仕立てさせていただいたスーツとは少し雰囲気を変えて仕立てさせていただきました。

広めのラペル・ゴージーラインの自然なカーブが、トニックから漂うクラシックかつ重厚感のある素材感とマッチして良い雰囲気に仕上がりました。

ご納品

仕上がったツーピーススーツを着用していただき、最終のフィッティングチェックをさせていただきました。

パンツは、ツープリーツでベルトレス仕様サイドアジャスター付きのスタイルで仕立てさせていただきました。

今回のブログでは、モヘアの名品トニックで仕立てさせていただいたお客様のグレースーツについてご紹介をさせていただきました。
DORSOで仕立てさせていただいたスーツをお客様の生活の中で着ていただき、実際の動きに伴う着用感やバランス・仕様(裏地やポケット)・コーディネートについて感じられたことはできる限り共有させていただきたいと私は思っております。

初めてのオーダーのお客様もリピーターのお客様も同様に、お客様のワードローブやコーディネートに携わらせていただく中で1着1着のご納品を大切にしながら、ご納品後もご意見をお聞きすることでお客様の理想を形にするお手伝いを可能にし、私が取らせていただいたデータをアップデートし続けることでお客様の期待にお応えできると信じております。
お客様の期待を超える服作りを目指して、今後もDORSOは尽力致します。

齋藤力

DORSOコート オーダーフェア2025

2025年6月9日(月)~2025年7月22日(火)
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DORSO トランクショーのお知らせ

福岡(博多)トランクショー
 2025年7月18日(金)〜 7月20日(日)

熊本トランクショー
 2025年7月20日(日)〜 7月22日(火)

広島トランクショー
 2025年9月14日(日)〜 9月16日(火)

大阪トランクショー
 2025年10月2日(木)〜 10月5日(日)

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